8月14日から「金曜ロードSHOW!」にて、「3週連続 夏ジブリ」が放送されます。
3週連続放送の第1夜(夜9時~10時54分)は、大人から子どもまで幅広く愛されるスタジオジブリの代表作品「となりのトトロ」。
1988年に公開されましたが、映画賞や雑誌などで評価されたことにより徐々に注目を集めていきました。子どもでも楽しめる「となりのトトロ」ですが、宮崎駿監督の作品への思いや作品の見所を知ることで大人も2倍楽しむことができます!
今回は、『となりのトトロ』のあらすじを始め、より楽しむために知っておきたい見所をたくさん紹介していきます。「何度も見たことがある!」という方でも、本記事を読むことで新しい発見を見つけられること間違いなしです!
目次
『となりのトトロ』のあらすじ・ネタバレ
姉のサツキ(12歳)と妹のメイ(4歳)は、入院中のお母さんが空気の綺麗な土地で療養できるようにお父さんと一緒に田舎に引っ越してきます。さっそく新居についた二人の前に小さな黒い生き物の「まっくろくろすけ」が現れます。おばあちゃんから子どもしか見ることができない生き物だと聞かされた二人は不思議な出会いにワクワクします。
メイが庭の前で遊んでいると二匹の奇妙な生き物が現れ、追いかけていくとそこには巨大な生き物が寝転んでいました。メイが名前を聞くとその生き物が”トトロ”と答えたように聞こえたので、メイは「トトロ」と呼ぶことにするのでした。
そんなある日、サツキはお母さんの入院先から電報を受けます。お母さんが体調を崩したことを知り焦るサツキを見て、メイは自ら病院に行ってしまいます。暗くなってきても見つからないメイを心配したサツキは一縷の望みをかけてトトロにお願いをしに行くのでした。
サツキの様子を見て察したトトロは、ネコバスを呼びました。サツキを乗せたネコバスは、メイのところまで連れていき、さらには二人を乗せてお母さんの病院まで連れていってくれたのです。窓の外からお母さんの元気そうな姿を見た二人はホッと一安心するのでした。
マニア厳選!『となりのトトロ』を楽しむ見所10選!
それではさっそく、ジブリを楽しむための見所をご紹介していきます。また、トトロの噂や都市伝説についても触れていきます!
【見どころ1】愛らしいサツキとメイ
感情豊かで子どもらしいサツキとメイに、頬が緩んでしまう大人も多いのではないでしょうか。奇妙な生き物たちに出会っても、恐れるどころか純粋な心を持つ姉妹は大はしゃぎで喜びます。その一方、お母さんの代わりにしっかりものでいなくてはと妹の面倒を見たり、気丈に振舞うサツキやお姉ちゃんの思いを感じ取ってお母さんの病院まで一人で向かおうとするメイの愛おしい姿には思わず釘づけになってしまいます。
【見どころ2】不思議な生き物達との出会い
黒くて丸い物体の「まっくろくろすけ」、真っ白い毛をした「小トトロ(ミン)」、青い毛をした「中トトロ(ズク)」、大きな体にクリクリの目をした「大トトロ(ミミンズク)」など愛らしい謎の生物が次々と二人の前に現れます。これらのキャラクターはなんの生き物をモチーフにしているかが明かされていませんが、とにかく可愛くて癒されます。
【見どころ3】トトロの温かさ
トトロは、二人が困った時や寂しい時になぜかいつも寄り添ってくれます。梅雨の夜、お父さんを迎えに行った二人の前に頭に葉っぱをのせたトトロがやってきます。
何も言わずただ寄り添うように隣に立っていてくれるのです。また、ある時は泣いているサツキを見て察したトトロは、ネコバスを呼びサツキをメイの元に連れていくようにしてくれるのです。
何かを話すわけではないのですが、トトロは二人のことを見守ってくれています。
【見どころ4】お母さんを想う姉妹
お母さんのいない家族を支えなくてはならないと、大人っぽく振舞うサツキ。
お母さんが帰ってこないことに寂しさを感じていながらも、お姉さんとして妹の面倒を見て、気丈に振舞って見せます。
しかし、ある日お母さんが入院している病院から電報が入ると、それまで大人っぽく振舞っていたサツキは一気に崩れてしまいます。本当はどれだけお母さんのことを心配していて、でも我慢していたかがわかるシーンです。
また、メイもお母さんにトウモロコシを届けて元気づけたいと4歳なりの発想でお母さんのことを気遣います。普段は「寂しい」「会いたい」などと口には出さない二人ですが、とてもお母さんのことを想っているのがわかりますよね。
【見どころ5】お父さんの偉大さ
実はこの「となりのトトロ」で重要な役割を担っているお父さん。
メイやサツキが子供っぽさを失わないのはお父さんが子どもの所々で子どもたちの気持ちを受け止めてあげているからです。
例えば、メイがサツキにトトロの話をした時、サツキとお父さんがあっけにとられ、笑ってしまいます。メイはそんな二人に腹を立てて「ほんとだもん!ほんとにトトロいたんだもん!うそじゃないもん!」と抗議します。
すると、お父さんは笑うのをやめ、「うん、お父さんもサツキも、メイがウソつきだなんて思ってないよ。」そして、「メイはきっと、この森のぬしに会ったんだ。それはとても運がいいことなんだよ」と言います。
まるでお母さんが優しく子どもの気持ちを肯定してあげるような対応に、メイは機嫌を取り戻すのです。
子どもの発言を否定しないことで二人は子どもらしくあれるような気がします。
【見どころ6】妹を人一倍想う姉、サツキ
いつも妹の面倒をみているサツキですが、妹のことをとても大切に想っていることがわかるシーンがあります。それはトウモロコシを抱えてメイがいなくなってしまった時のことです。
普段は大人の前で敬語を使い、大人っぽく振舞っていたサツキですが、オート三輪の前に飛び出して、妹を見ていないかを聞くなど危険なことをしてしまいます。
さらに、メイのサンダルが川で見つかったことを聞くと、周囲の言葉が届かなくなるほど焦り、裸足のまま無我夢中でメイの元に向かおうとします。このシーンを見たとき、妹のメイをいかに大事に想っているかが伝わってくるはずです。
ちなみに、このシーンでは、“メイは溺死した”という都市伝説があります。
ですが、これは完全なるデマです!
メイのサンダルをよく見てみると、サンダルの甲の部分に1本線が入っていることがわかります。
一方、池で見つかったサンダルは甲の部分に2本線がクロスしたデザインのサンダルであることがわかります。
また、このシーンではサツキが「メイんじゃない!」とキッパリ言っているため、違うのは確実です。
更に、お地蔵さんの所でしゃがみこんだメイが見つかる場面でもサンダルは両方履いています。
つまり、メイが溺死したなんてことは、まずあり得ません!
また、池に落ちていた靴の持ち主でもないですね。
【見どころ7】お母さんは結核だった?
サツキとメイのお母さんが入院していた七国山病院のモデルとなった病院、実は結核などの重症患者や末期患者を多く扱っていたと言われています。
そういったことから、サツキとメイのお母さんは結核だったのではないかと言われています。
でも最後に、無事お母さんが退院してくるシーンがあるのでホッと一安心する方も多いのではないでしょうか。
【見どころ8】トトロは死神という諸説も?
トトロは北欧に伝承される妖精の一種である「トロール」をモチーフにしているという説があります。トロールは「気に入った人間には幸福をもたらす」と言われています。
このトロールを見ることができたサツキとメイは実は死んでいるのではという都市伝説もあります。また、物語後半では二人の影が描かれていないのです。このことも二人が死んでしまったのではといわれる理由の一つのようです。
ですが、公式発表ではそのような意図はないとされており、実の理由は
サツキとメイの影がなくなったのは「演出」上の問題で、作画班が不要と判断したからです。
トトロが死神だなんて悲しい都市伝説は嫌だったので、ホッとしました!
【見どころ9】エンディングロールにも注目!
布団に横になる笑顔いっぱいのサツキとメイの真ん中には絵本を持つお母さんの姿が。二人の幸せそうな表情を見ると見ている側も幸せな気持ちになれますよね。
お母さんが持つ絵本に注目してみると、なんとそれはトロールが登場する「三匹の山羊」の絵本なのです。
ちなみに日本でよく知られているノルウェーの昔ばなし「三匹のがらがらどん」にもトロールがでてきます。
【見どころ10】毎回高視聴率
2年に一回は放送されているといっても過言ではないほど何度も放送されている作品ですが、毎回視聴率が高いことでも知られています。過去の平均視聴率はなんと20%近いとも言われています!
【おまけ】実はサツキもメイも存在しなかった!?
「となりのトトロ」の作品には、実はサツキもメイも本当は存在しなかったという話があります。
これは、結論から言うと「本当」です!
どういうことか順を追って説明しましょう。
今となっては、サツキとメイは誰もが知る「となりのトトロ」を語る上では欠かせない主要なキャラクターと言えます。
しかし、「となりのトトロ」の最初の構想段階では1人のキャラクターのみだったのです。
つまり、姉妹の設定は存在しないということです。
1人だった時のキャラクターは、サツキとメイを足して2で割ったような女の子です。
服装はサツキで顔がメイといった具合です。(画像参照)
出典: https://www.cinemacafe.net
『となりのトトロ』(c)1988 Studio Ghibli
しかし、少女を追加して、この設定を変更したのは、なんと映画公開の1年前!
なぜ、変更せざるを得なかったのか?これにはちゃんと理由があります。
当時、同時上映されることになっていた、映画『火垂るの墓』の上映時間が90分に延長されるという大幅な変更がありました。
それに伴い、もともと60分の映画であった『となりのトトロ』も80分に延長されることとなり、上映時間を伸ばす策として挙がったのが、登場する少女を1人追加することでした。
これがなければ、サツキとメイはこの世に誕生していなかったことになります。
上映時間が伸びてくれてありがとう!
こういった誕生秘話は非常に面白いですよね!
まとめ
「となりのトトロ」は比較的、明るい雰囲気の作品で、森と仲良く共存していく様子が描かれています。家族の絆や、メイとサツキの素直で純粋な心、奇妙で可愛い生き物達との出会いなど、心温まる作品です。
初めての方はもちろん、以前見たことがあるというかたも今回紹介した見所に注目してぜひ楽しんでみてくださいね!