現代病と言われている「うつ病」。
ストレスが原因で発症し、私生活に支障をきたしている人も多いかと思います。
そんな時代ですが、岡山理科大と徳島大病院の共同研究グループが希望の光となる発表をしてくれました!
31日付の米科学誌サイエンス・アドバンシーズに掲載された論文なのですが、なんと胃薬でうつ病を改善できるというのです!!
驚くべき発見ですよね。
どういうことなのか調べてみました!
うつ病とHSPの関係が判明した実験
岡山理科大などの研究グループは、ある実験を行うことで、うつ病とHSP(熱や紫外線などから細胞を保護する役割を持つ「熱ショックタンパク質」)が関係していることを突き止めました。
実験内容と結果は以下になります。
縄張り意識が強い大きなマウスがいるケージに小さいマウスを入れ、攻撃されるなどしてストレスがかかってうつ病のような状態になった小さいマウスの脳内を解析した。
その結果、記憶や学習能力をつかさどる「海馬」のHSP105の発現量が通常のマウスと比べて大幅に低下したことが分かった。
また、この実験によって、HSPが増加すると、神経の成長や再生を促す物質で、抗うつ効果がある「神経栄養因子(BDNF)」の発現量が増えることが確認され、症状改善に至るメカニズムも解明されたようです。
HSPを増やす薬剤はテプレノン!
HSPが著しく低下したマウスに、「テプレノン」を投与したところ、他のマウスを怖がらなくなり、うつ病のような症状が改善していったという結果が出ています。
要するに、HSPが増加して、うつ症状が改善されるということです。
そして、この「テプレノン」の正体は”胃薬”!笑
胃薬で改善されれば、安価なので経済的にも良いですよね。
ちなみに、人でも効果があるのかどうかですが、データとしては結果がでているそうで、テプレノンを服用していた人は、うつ病を発症する確率が4割ほど低くなっていたことがわかっています。
既存の抗うつ薬は重い副作用を伴うものが多く、患者への負担が大きいですが、テプレノンは胃薬として広く使われているため、安全性も高く、研究が進めばうつ病患者への適用拡大が期待できると言えます。
注意すべき薬
調べてみると、逆にうつ病を発症させてしまう薬もあるようです。
中でも、肝炎などの治療薬「インターフェロン」は副作用でうつ病になることが知られているそうなので、知識として頭の片隅に置いておくと良いかもしれませんね。
最後に
様々な実験によって医療も進歩してきて、以前までは治らないといわれていた病気までも改善できるようになってきましたね。
今回の実験も、私達の生活に深く関わっている現代病の一つが改善できる結果をもたらしてくれていますから、大変助かります。
研究チームに関わっている岡山理科大の橋川直也講師は「テプレノンは安全性が確立している。治験で効果を確認し、2、3年以内での実用化を目指したい」と話しています。
実用化はまだのようですが、これから近い将来、うつ病に悩まない時代がやってくるかもしれません。
期待して待ちましょう!