今、日本で深刻化してきているのが「セルフネグレクト」!
とはいっても、セルフネグレクトに関しては10年も前から前から医療・福祉の分野で研究テーマになっており、なかなか難しい問題でもあるんです。
一番よく説明の例に挙げられるのが「ごみ屋敷」で、自分で片付けられなくなってしまった
高齢者が辿る末路というわけです。
この「セルフネグレクト」とは何が原因で、どんな症状なのか?
また、治療法などはあるのか調査してみようと思います。
セルフネグレクトとは?
まずは、セルフネグレクトについて説明したいと思います。
セルフネグレクトという言葉を調べると下記のような説明になります。
成人が通常の生活を維持するために必要な行為を行う意欲・能力を喪失し、自己の健康・安全を損なうこと。
必要な食事をとらず、医療を拒否し、不衛生な環境で生活を続け、家族や周囲から孤立し、孤独死に至る場合がある。
防止するためには、地域社会による見守りなどの取り組みが必要とされる。
自己放任のこと。認知症などで判断力が低下する場合も含む。
簡単に言うならば、自分の身の回りは勿論のこと、自分自身にも興味が無くなってしまう状態がセルフネグレクトということです。
最低限の身の回りのことをやらなくなることによって、衛生面が保持できなくなり安全や健康が脅かされる。
そして、それが最悪死に至るという流れが出来上がってしまうんですね。
ゴミ屋敷化する家というのはこのセルフネグレクトが原因であるケースがかなり多いようですが上記の説明などをみると、確かに頷けますね。
実は、これは日本だけの問題ではなく、米国でも深刻な問題として取り上げられているのです。
米国では、高齢者の9%、年収の低い人や認知症の場合は15%に及ぶという結果が出ています。
これを日本に当てはめると200万人を超える計算になるんだとか・・・。
これらの例を見ていると、高齢者ばかりに起きる症状のように思えますが、若者も注意が必要なんです。
セルフネグレクトになる原因は後ほど説明しますが、若者でも十分ありえる話なので軽視しないようにしましょう。
セルフネグレクトの症状・原因
セルフネグレクトがの内容がわかったところで、症状や原因が何なのかも確認しておきたいですよね!
なので、詳しくみていくことにしましょう!
■症状
症状に関してですが、セルフネグレクトの説明と重複にはありますが、自分のために何かをするという行為が無くなります。
ゴミの処理ができなくなったり、食事もあまり摂ることがなくなります。食事をするとしても健康面を全く意識しないため、インスタント食品が増えるなど、偏った食事になります。
また、お風呂に入ることもなくなったりと、日常生活に最低限必要な活動を全くすることがなくなります。
衛生面に関する意識が希薄になるといった症状ですね。
中でも一番困る症状は、こういった状況を救済すべく支援をしようとしても本人が頑なに拒否をするということです。
どんな説得にも応じず、拒絶するので周囲との距離が大きくなり、孤立してしまうのです。
このように、私生活に大きく支障をきたすような悪循環を引き起こしてしまうことになります。
■原因
こんな恐ろしいことになってしまう原因は一体何なのでしょうか?
実は、私たちが普段過ごしている何気ない日常の中にいくらでも原因は潜んでいます。
一番身近なものは『人間関係』です。
家族や友人との関係において大きなショックや怒り、悲しみを感じることによって
生きていく気力を無くしてしまうことがあります。
また、会社での出来事もきっかけになり得ます。
特に、職を失った場合はセルフネグレクトを起こす可能性が高いかもしれません。
人間関係や信頼関係といった、何かとの繋がりが途切れてしまったというケースが原因に
なるということでしょう。
次に意外な原因を紹介します。
『災害』です。
災害が起こり、大切なものを失った場合に、自分の人生に興味をなくすケースが多いようです。
家族、ペット、家、職業など、突然失ってショックの大きいものが原因になります。
これからの人生に落胆してしまった状態になり、何もする気がなくなってしまうことからセルフネグレクトになるといった感じです。
続いての原因は『病気』です。
主に、重大な病気にかかった場合にセルフネグレクトを引き起こします。
例えば、今までできた事が急にできなくなってしまった場合や精神疾患になり周囲の理解が得られない場合が多いようです。
両者とも歯痒い気持ちが募って、人生への興味が薄れていくのだと思います。
また、認知症もこの部類に入るでしょう。
他にもたくさん要因はあります。
『経済的困難』
『虐待』
『社会の複雑なシステムについていけない』
などなど、私たちが生活している上で遭遇しそうなものばかりですよね!
ですので、高齢者だけでなく、若者も油断していてはいけません。
ストレス社会と言われている現代では、若者の精神病も多いので、セルフネグレクトにつながる可能性は非常に高いのではないかと思います。
治療はできるの?対処法は?
最初にお伝えしておくと、セルフネグレクト治らない病気ではないようです。
ただ、完治するにはなかなか根気がいるようです。
周囲の支援なくしては成り立たないものなので、本人が拒絶するとなかなか難しいでしょう。
意識して欲しいのは、一番目に付く部分を指摘・改善しようとしないことです。
セルフネグレクトは先ほども原因を書いた通り、何らかのきっかけがあります。
その原因を緩和していくことから進めていかなければ、良い方向には向かわず、返って拒絶されてしまいます。
とにかく、本人の声に耳をかたむけて、小さいことから少しずつ改善していくことが得策です。
■注意点
いきなり心療内科のようなところで診療してもらうのはやめてください。
というのも、うつ病に効くような薬を出されるだけで、返って副作用などで苦しむこともあるかもしれません。
精神科にかかるのは最終手段という感じで考えておくと良いかと思います。
最後に
最近では、行政などでもゴミ屋敷の改善に動きだしたりしてるなど話をきいたりもします。
市町村なども、何らかの対応が必要と考え始めているようです。
ただ、まだ具体的な対応策は決まっていないのが現状です。
そもそもまだ、セルフネグレクトに対しての認知度が低いということもあって
理解が得られていないということもありますからね。
もし、この記事を読んでいただいて周りにそのような人がいましたら
適切な対応をしてあげて欲しいなと思います。