化学兵器「ノビチョク」とは?強力神経剤の効果(症状)はいかに?作り方が公開されている!?

ここ最近で「ノビチョク」というワードが世間を賑わせていることをご存知でしょうか?
日本の事件ではないのでおそらく知らない人も多いかと思います。

名前が可愛らしいのでどんな物か想像がつきにくかと思いますが、超絶危険なものです。


2018年3月頃、イギリスでロシア人の元二重スパイ殺害未遂事件が発生しました。
被害に遭ったのは、2010年のスパイ交換で英国に移住したセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏(66)と娘のユリア(Yulia Skripal)さん親子。
商業施設にあるベンチで意識を失っているところを発見されたそうです。

英軍基地の専門家チームが事件で使用された毒物を分析した結果、ロシアが開発した軍用神経剤「ノビチョク(Novichok)」と特定されたことが明らかになっており、ロシアが関与している可能性が非常に高いと表明されています。

これが「ノビチョク」です!
可愛らしい名前とか思えなくなりますよね。。。

さて、この事件によりノビチョクが話題になりましたが、一体どんな物質なのでしょうか?
そして、どんな効果(症状)があるのでしょうか?

気になったので調査してみました。

「ノビチョク」とは一体何か?

実は先月、6月30日にもノビチョクが検出される事件がありました。
イギリスの南部で男女2人が意識不明の重体になっているのが発見されました。

冒頭で話した事件とは、今のところ関連性はなく、この男女が暗殺されるような職業に就いていないことから事件の真相は掴めていないようです。

このように立て続けに使用された「ノビチョク」というのは一体何なのか?
そんなに簡単に手に入ってしまうものなのか?

とても気になりますよね。

まず、ノビチョクとは、ソビエト連邦とロシアが1971年~1993年に開発した神経剤の一種です。
ガスや蒸気の代わりに超微細粒子として拡散する独特な性質を持つ危険極まりないものです。

ノビチョクと一口に言っても、実は5種類ほど存在しているようです。
これらは、軍事用に兵器化されていると噂されていますが、実際に戦場で使われた記録はありません。

ただし、かなり危険なことには変わりなく、ロシアが開発した軍用神経剤でVXガスの5倍から8倍の強さがあります。
VXガスというのは、金正男殺害時にも使用された強力な神経剤です。

これの5倍から8倍って相当ですよ。。。

ちなみに、ロシア連邦当局はノビチョクの生産や研究を否定しており、ロシアの関与については真偽はわかっていません。
また、ノビチョクの確たる情報というものがかなり少ないため、色々調べても「~とされている」という曖昧な表現ばかりになっています。

曖昧な存在なのがこれまた怖ろしいですね。。。

「ノビチョク」の効果(症状)は?

かなり危険な化学兵器であることは理解してもらえたかと思いますが、もしノビチョクを吸引してしまったらどんな効果(症状)が出てしまうのでしょうか?
私達がそんな状況になる可能性はほぼ0に近いでしょうが、人生何があるかわかりませんので、効果(症状)を知っておきたいですよね。

では、どんな症状になるのかというと・・・

全ての筋肉の不随意収縮を引き起こすと書かれています。

これは、心臓と横隔膜はもはや正常に機能せず、呼吸と心拍停止に繋がることを意味します。
そして、最終的に心不全または肺水腫による窒息により死に至ります。

想像もつかないような苦しみを味わってから死ぬということです。

ですが、イギリスで起こった事件の被害者は未遂で終わっているので死んではいません。
必ず死に至るということではなさそうです。

【追記】※イギリスの南部で男女2人が意識不明の重体になった件は、2018年7月9日に女性の方が死亡したと報道されました。

では、被害者達は回復すれば元の生活に戻れるのかと言えばそうではありません。
これがまたノビチョクの怖ろしいところです。

調べてみると、以下のような記述がありました。

この薬剤は不可逆な神経損傷を引き起こし、犠牲者に永久的な障害をもたらす可能性がある。これら人間に対する効果は1987年5月、モスクワの研究所で開発に携わっていた科学者の一人であるアンドレイ・ジェレジニャコフが残留していたノビチョクに偶然暴露したことで証明された。彼は重症となり、意識回復まで10日かかった。彼は歩行能力を失い、3ヶ月後レニングラードの秘密の診療所で治療を受けた。この薬剤は「腕に慢性的な衰弱、肝硬変を引き起こす毒性肝炎、癲癇、重度のうつ症状または読書や集中力の欠如が起きて、重度の身体障害により働くことができなくなった。」彼は回復することなく、健康を悪化させ、5年後の1992年7月に死亡した。

背筋が凍りつくような話じゃないでしょうか。。。
一度ノビチョクの中毒にかかると、その後の人生は真っ暗という可能性があるわけですから。

治療する手段はあるようですが、かなり高度な生命維持技術等が必要になってくるようです。
イギリスの被害に遭った人たちがその後どうなっているのかはわかりませんが、少なくとも元に戻っている可能性は低そうですね。

「ノビチョク」の作り方が公開されている?

ノビチョクを検索しようと「ノビチョク」と検索窓に打ち込むと「ノビチョク 作り方」というサジェストワードが出てきました。(現在は出るか不明)

まさか、そんな危険な兵器の作り方がネット上に転がっているのかとビックリしました。

検索をクリックしてみると、検索結果には作り方を記載しているようなタイトルは一つもありませんでした。
ホッと一安心です。

しかし、そういったサジェストワードが出てくるということは、相当数の人が「ノビチョク 作り方」を検索しているということになります。
これは、安心できることではありませんね・・・

大抵の人は興味本位でしょうが、中には本気で作ろうと考えている人もいるでしょうから笑えない話です。

とはいえ、ノビチョクは軍事レベルの兵器になるものですから一般人では到底作れないものだとは思います。
どうかこんな危険な物が作られないことを願いますね。

ということで、今回は「ノビチョク」についてでした!