8月14日から「金曜ロードSHOW!」では、「3週連続 夏ジブリ」が放送されることがきまり、先週は「となりのトトロ」が放送されましたね!
3週連続放送の第2夜(夜9時~10時54分)、8月21日には「コクリコ坂から」が放送されます。スタジオジブリの映画『コクリコ坂から』は2011年に公開された映画で、宮崎駿監督の長男、宮崎吾朗監督が手がけた『ゲド戦記』に続く第2作目です!
比較的最近の作品なので、まだ見たことがないという方も意外と多いかもしれません。
今回はそんな『コクリコ坂から』のあらすじやネタバレを始め、より楽しむための見所をたくさんご紹介していきます!
目次
『コクリコ坂から』のあらすじ・ネタバレ
物語の舞台は、1963年(昭和38年)東京オリンピック開催を目前に控えた横浜の、とある下宿屋「コクリコ荘」。主人公の高校生、松崎海は父を早くに亡くし、留学中の母に代わり坂道の上に建つ「コクリコ荘」を切り盛りしていました。
ある日、海は同じ高校に通う新聞部の部長・風間俊と出会います。俊は男子文化部の部室棟・カルチェラタンの老朽化による取り壊しに反対し、存続運動に没頭している青年でした。海は、俊の親友であり生徒会長でもある水谷の提案で俊の新聞づくりを手伝うことになりますが、やがて俊に淡い恋心を抱くようになります。
ある日、海はカレーに入れる肉がないことに気づき買い物に出かけます。するとそこで自転車に乗った俊に出くわします。俊は海を自転車の後ろに乗せ、肉屋まで連れていき、その後海を自宅まで送り届けてくれるのでした。
俊に討論会に呼ばれた海は一度は断りながらも結局気になり集会の様子を見学しに行くことにしました。カルチェラタンの建て替えの賛成案が多数いる中、俊は壇上に上がり異議を唱えます。
そんな中、下宿人の医大生・北斗美樹の送別パーティーが行われることになり、俊も「コクリコ荘」に呼ばれました。海が家の中を案内する中、一枚の写真を俊に見せます。俊は海の父の写真を見るなり、様子が一変します。その写真には、海の父の澤村雄一郎の他に立花洋、小野寺善雄という二人の男性が映っていました。
家に帰宅した俊は、父親から親友の澤村雄一郎が赤ん坊を連れてきたことを聞かされます。海と血の繋がりがあることに衝撃を受けた俊は、次の日から海への態度が素っ気なくなってしまいます。しかし、理事長に直談判をしに行った帰り道、海と俊は互いの想いを正直に伝え合うのでした。
海と俊は、俊の父親は海の父の親友であったという新事実を写真に映っていた三人目の男・小野寺から聞かされ、二人は笑顔を見せます。タグボートに乗った二人は、美しい夕焼けと共に、「コクリコ荘」を眺めるのでした。
『コクリコ坂から』を楽しむ見所は?
次に、『コクリコ坂から』を存分に楽しむための見所をご紹介していきます。
また、『コクリコ荘』の噂や都市伝説についても触れていきます!
一度見たことがあるという方も見所を改めて知ることで違った楽しみ方ができるはずですよ。
高校生カップルの淡い恋心
海と俊はお互いに引かれ合う二人でしたが、異母兄妹であるという疑いが生まれます。ある日、一枚の写真をみたことがきっかけで、先にその疑いを持ち始めた俊は、海のことを避けてしまうようになってしまいます。
しかし、そのことを知らない海はなぜ俊がそのような態度をとるのかが分からず、「嫌いになったのならはっきりそう言って」と俊に伝えます。
俊から理由を聞かされた海は、一度はとても落ち込みましたが、やはり自分の気持ちに嘘はつけないと感じようになるのでした。また、それは俊も同じでした。
仮に兄妹であってもやはりお互いが好きであると伝え合うのです。相思相愛でいながらも、「兄妹かもしれない」という大きな壁が二人の前に立ちはだかります。二人の甘酸っぱい恋の展開に釘付けになってしまいますよ!
美しく情景溢れる1963年の横浜
息を飲むほどの美しい背景画、ジブリの背景画は美しいことで有名ですよね。
この「コクリコ坂から」もとにかく美しい背景になっています。
港を見渡せる「山下公園」や市の指定文化財に指定されている「日本郵船氷川丸」。架空の場所ではありますが、俊が懸命に守り続けた「カルチェラタン」はなんとも魅力的に描かれています。
その一つの理由として、監督・宮崎吾郎さんの公園緑地や都市緑化に携わってきた経験があげられます。もともとジブリの制作に加わる前は、造形や建築業の仕事を行っていました。
そんな宮崎吾郎監督だからこそ表現できる造形美の数々は、多くの視聴者を魅了することでしょう。
是非、その辺も注目して観てみてください!
海の母の澤村雄一郎への愛
海は自分と俊は血のつながりがあるのかどうかを確かめるために、母・良子に真相を聞くことにします。
すると、母は「ちょっとややこしい話になるけど」と言い、海に話し始めました。
母が言うには、海の父・雄一郎は立花洋の子どもが施設に入るかもしれないのを黙って見ていることが出来ず、思わず連れてきたのだというのです。
海はさらに「もしも風間さん(俊)がお父さんの本当の子供だったら?」と母に尋ねます。普通なら「そんなのありえないわ」などと否定するでしょう。
しかし、母は「あの人の子供だったら…会いたいわ。似てる?」と答えたのです。
その言葉は、雄一郎のことを疑ってなどいないし、もし本当に彼の子どもならばその面影を感じてみたいということを意味しています。
深く愛しているからこそ、雄一郎の全てを受け入れるという母の姿勢が表現されているシーンです。
原作は「なかよし」で連載されていた少女マンガ
原作は「なかよし」(講談社)にて、1980年1月号から同年8月号まで全8話が連載されていました。
原作は映画とまったく一緒かというとそうではなくて、映画に登場するコクリコ荘の住人、研修医の北斗美樹は実は男性という設定だったのです。
そして、主人公・海はこの研修医のお兄さん、北斗美樹に恋心を抱いている設定でした。
海の俊への純粋な恋心を表現するために、大学生の北斗美樹を女性にしたのかもしれません。
原作を読んだことがある方からするとあまりに話の設定が違い過ぎると感じてしまうほど、大幅に変更されています!
監督はやり残した感があった?
公開から一年後のインタビューで、宮崎吾郎監督は当時の心境を語っています。
映画が公開された直後は、もっと出来たのではないかというやり残した感を持たれていたようです。
しかし、時間が経ってから映画をもう一度見た時、これは面白いのではないか、と感じたそうです。
また、今回の脚本家は父・宮崎駿監督に対して、原作をふるいにかけて芯となる部分の取り出し方が優れていると言っていました。
やはり、宮崎吾郎監督にとっても宮崎駿監督は偉大な存在であることがわかります。
安心感と緊張感が入り混じる展開
「コクリコ坂から」はどこか懐かしさや過ぎ去った心惹かれる日々を思い出させてくれるような映画です。
学生たちの青春物語を見ていると、過去の出来事に想いを馳せる方も多くいるのではないでしょうか。
海と俊の甘酸っぱさを感じつつも、純粋でまっすぐな海と俊の姿を見ていると思わず応援したくなってしまいます。
また、この映画は安心感や微笑ましさだけを感じさせてくれるのではありません。二人が異母兄妹ではないかという疑惑が出てきたとき、多くの視聴者は緊張感が高まるでしょう。
両親がどのように愛し合い、生きてきたかという真実に迫っていくとき、ハラハラの展開を迎えることになります。
まとめ
「コクリコ坂から」では学生の青春物語を描かれています。特にも海と俊の純粋でまっすぐな恋心に思わず引き込まれてしまう方も多いのではないでしょうか。
また、この作品を見ていると、ノスタルジーを感じるかたも多いと思います。
もしかすると、二人は兄妹かもしれないという少しシリアスな展開にも注目です。ぜひ、前半と後半のストーリー展開を味わってみてください!