郵便受けが日々進化しているって知っていましたか?
あまり意識している人は少ないかと思いますが、実は深刻な問題が起こっているんですよね。
ネット通販が普及し便利になったため、注文数が激増したのは良いのですが、それに伴って不在による再配達も激増しているのです。
つい最近、佐川急便がアマゾンからの配達を打ち切ったことは記憶に新しいですよね。
配送業者もかなり負担がきているわけです。
それを解消すべく、知恵を出し合ったのがナスタ、アマゾン、日本郵便の3社!
郵便受けを「地味チェンジ」することで、こうした問題を改善していく取り組みを行なっているんです。
テレビ番組「がっちりマンデー!!」でも取り上げられました。
一体どんな風に郵便受けがチェンジしたのかを見ていきたいと思います!
ナスタ、アマゾン、日本郵便の取り組みとは?
アマゾンや日本郵便はみなさんご存知かと思いますが、ナスタという企業はピンと来ないのではないでしょうか?
株式会社ナスタは、戸建・マンションをはじめ、商業施設やオフィスにおいても様々な角度からサポートし、サービスを提供する企業です。
屋内インテリア、外構エクステリア、表示サインなど、幅広いノウハウを持っています。
この3社が、大型郵便物の再配達を減らすための物流インフラの向上を目指す取り組みに乗り出したのです。
戸数の多いマンションへの配達や、再配達は手間がかかるために現場の人間も悲鳴があがっていました。
そこで、3社が協議を重ね、出した結論は厚さ3.6cmの箱が入る投入口の大きさに地味チェンジすることでした。
これを「推奨規格」と決め、製品開発を呼びかけたのです。
それにしても、どんな郵便受けになったのでしょうか?
投入口が大きくなったら商品が盗まれる可能性もあるかと思います・・・
では、地味にチェンジした郵便受けについて見て見ましょう。
地味チェンジした郵便受けとは?
ここからは、がっちりマンデーでも取り上げられた部分になりますが、投入口がわずか1.1cmの地味〜〜なチェンジをしただけなのです。
先ほど、厚さ3.6cmの箱が入るくらいにチェンジしたと言いましたので、元の大きさは2.5cmなのです。
参考:「がっちりマンデー!!」より
このたった1.1cmの変化でだいぶ変わるのです。
今まで投函されずに持ち帰られていたダンボールも下の画像のようにすっぽり入ってしまいます!!
画像をよく見るとよくわかりますが、このダンボール「アマゾン」のですよね!笑
一緒に協議して作っただけあってちゃんとアマゾンのダンボールが入る仕様なんです。
アマゾンで買い物をする人は相当数いますから、これはとても便利です。
さ・ら・に!
これだけではありません。
もっと地味に進化しているところがあるんです。
それは、投入口の構造!
下の画像を見てください。
参考:「がっちりマンデー!!」より
投稿口を開くと、なにやら黒っぽい暖簾(のれん)のようなものがありますよね。
これなんだかわかりますか?
実は、盗難防止のセキュリティーシステムなんです。
その名も「ナスタガード」!!
荷物の抜き取り防止のために取り付けられた「ナスタガード」は、荷物を入れるときは奥に倒れて、荷物がスルッと入ります。
しかし、「ナスタガード」は手前には倒れません。
手を突っ込んだとしても引き抜くことができない構造になっているんですね。
泥棒のみなさん!投入口は広くなりましたが、盗難はできませんよ!!笑
ちなみに、郵便受け特有の”パタンッ”という音が鳴らないようにゆっくりと閉まる静音仕様になっているのもまた魅力的です。
とことん考え抜いた郵便受けと言っても過言ではないでしょう。
売り上げが爆発的に上昇!
さて、従来の郵便受けの投入口をわずか1.1cm広くするという地味チェンジを施したわけですが、この商品がどのくらい注目を集めたか想像がつくでしょうか?
驚くことなかれ!
なんと、約2倍も売り上げが伸びたんです!!
15.5億から30億ですよ!!!??
わずか1.1cmとはいえ、今の時代のニーズにしっかりとハマった商品だということですね。
どんなに些細で地味なチェンジでも、痒いところに手が届いていたら、消費者の心を動かす力があるということがわかります。
これは、どんな企業でもあてはまる大切な考え方ではないでしょうか?
斬新な発想じゃなくても良いんです!
新しい取り組みじゃなくても良いんです!
今求められていることは何か。
今ある自社の商品・サービスに改善すべき点は本当にないのか。
そういったところを突き詰めるだけで、消費者は利用しやすくなったり、欲しくなったりするものです。
それにしても15億円近く売り上げがアップするのは本当にすごいですね・・・
地味チェンジした郵便受けはどんなタイプがるの?
第一弾として開発されたのは、戸建て住宅用ポスト「Qual(クオール)」と、集合住宅用ポスト「D‐ALL(ディーオール)」の2タイプです。
両方とも2014年から発売されています。
「Qual(クオール)」は壁付けタイプの縦型郵便受け。
投入口だけでなく、キャパシティーも広げてメール便最大サイズ35 × 37 × 3.5cmでもスムーズに投函できるようになっています。
シンプルですが、丸みのあるフォルムでとても可愛らしいですよね!
投入口は上部にあり、上から荷物を入れるようになっています。
「D‐ALL(ディーオール)」は、従来の集合住宅用郵便受けと同じような形の郵便受け。
従来よりも投函口を大きくし、ほとんどのメール便が入る構造に地味チェンジしています。
デザインは従来の郵便受けよりもスタイリッシュになっていますよね!
現代的で、最近の建物にはぴったりではないでしょうか。
最後に
正直、郵便受けがここまで色々試行錯誤して造られているとは全く考えもしませんでした。
しかも、利用する住民だけでなく、配達する側のことを考慮し、労働的な負担を軽減することまで考えられていますからね。
こうした企業が存在することで、私たちの何気ない生活がよりスムーズで快適になっているわけです。
冒頭に「郵便受けが日々進化しているって知っていましたか?」なんて質問をしました。
3分ほど前までは、郵便受けなんて全く意識して生活しておらず、知らなかった人は多いと思います。
これからは生活の中で、どこにこうした工夫がなされているのか探しながら生活してみるのも面白いかもしれません。
ということで、今回は地味チェンジをした郵便受けについてでした!!