レズビアンをカミングアウトしている元宝塚の東小雪さんが3月8日は国際女性デーを前に
「諦めず、違和感を持ち続けて」と語りました。
性被害などについて数多くの講演活動を行い、被害を受けた女性達の閉ざされた心を
救ってきた小雪さんがみんなに伝えたい想いとは何なのか?
それを書いていきたいと思います。
また、聞きなれない国際女性デーというは何なのかも併せてみていきましょう。
3月8日国際女性デーとは?
国際女性デーとは、別名「国際婦人デー」、「国際女性の日」とも呼ばれている記念日の一つで、毎年3月8日がその日にあたります。
1904年3月8日にアメリカ合衆国のニューヨークにて女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こし、1910年にコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で
ドイツのクララ・ツェトキンが「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱したことから始まったそうです。
国によっては、この日を祝日(休暇日)にし、単に女性の美しさや母性を讃えるだけの日としているところもあります。
男性が女性に花を送ったり、女性同士でプレゼントを交換し合うなど、イベント的な要素が強まっているようです。
とはいえ、本来の意味合いとしては政治的・革命的な日であり、
国連人権高等弁務官も「女性が権利の獲得に向けたこれまでの歩みを祝うと同時に、女性被害者は、いまだに跡を絶たないことを想起する日」と明言した文章を発表しています。
国際女性デーは、これまでの女性の人権に関する長い歴史が詰まった日なんです。
東小雪とは?
本名:東小雪(ひがし こゆき)
生年月日:1985年2月1日
出身地:石川県金沢市
劇団:宝塚歌劇団・第91期生
職業:LGBT活動家、舞台俳優、文筆家
2005年に宝塚歌劇団花組に入団し、「あうら真輝」の芸名で男役として活躍しました。
翌年2006年には、宝塚を退団、芸能活動を休止してしまいます。
しかし、この決断は彼女が本当にやりたかった事への第一歩となります。
2010年に、本名の東小雪としてLGBT支援活動を開始し、レズビアンであることや、宝塚歌劇団花組の「あうら真輝」であることを公表します。
ここまで自分を全て曝け出していますから、この活動への想いがうかがえますよね。
LGBTというのは、女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、性同一性障害を含む性別越境者などの人々を意味する頭字語のことです。
つい最近ですと、ジョニー・デップの娘リリー・ローズさんがLGBT支援プロジェクトのモデルになったので話題になりましたよね。
小雪さんは、LGBTや性虐待関連のテレビ番組出演や講演活動の他、執筆活動も行っており
『レズビアン的結婚生活 [ 東小雪 ]』 (コミック)
『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白【電子書籍】[ 東小雪 ]』
⇒通常書籍版『なかったことにしたくない [ 東小雪 ]』
上記の3作品を出しています。
また、有名な話ではありますが
小雪さんは「日本のディズニーリゾートで同性挙式をした最初のカップル」でもあります。
この出来事は、文化・コミュニティの発展に貢献したとして、表彰までされています。
小雪さんの行いが同じ悩みを抱えた女性達に、どれほど多くの勇気や救いを与えたが伝わってきますよね。
東小雪さんが伝えたいこととは?
国際女性デーを前に小雪さんが語った、「諦めず、違和感を持ち続けて」の意味とは一体何なのでしょうか?
小雪さんの過去から見ていきましょう。
彼女は、親戚の中でも、会社でも傷つくことが多かったといいます。
「女性は、子供を生んで当たり前」、「女性だけが立ち働き、男性は動かないのが当たり前」
世の中の空気は誰かが口に出さないまでも暗黙のルールであるかのようにこういった空気が漂っています。
また、会社においてはセクハラは日常茶飯事で、”仕方なく”耐えていた部分があったようです。
さらに、カミングアウトしていない友人であれば、知らないがために発せられた言葉に傷つけられたり、レズビアンとしては「ホモネタ」でも傷を受けるという二重苦があったんだとか。
「カミングアウトすればいいじゃん」という簡単な話ではありませんから
その苦しさというのは、なかなか人に理解されない部分もあってかなりしんどかったのではないでしょうか。
小雪さんの苦しみはこれだけにとどまらず、実は、父親から性虐待を受けていました。
あってはならないことですが、これによって大きな精神的ダメージを負う事となります。
多感な時期でもある23~24歳ごろにうつ病になり、様々な症状で苦しんだようです。
この時は、精神状態も酷く、心配した周囲の人からは「死なないで」と言われたほど。
しかし、小雪さんはこの時に抱いていた感情をこう語ります。
「1分1秒、生きているのがこんなにつらいのに、どうやって生きればいいの?」と。
おそらく、全く同じように感じている人は相当いると思います。
心の底から共感するのではないでしょうか?
しかし、数々の苦難を乗り越えて現在では小雪さんはこう語ります。
「カウンセリングを受け、性虐待に遭っていた記憶を取り戻しました。
パートナーに支えられて治療を受け、カオスのような日々から回復して、
いまは生きていて幸せです。いま、苦しんでいる人は、どんなに絶望的な状況
であっても、死なないでほしい。」
1分1秒、生きているのがこんなにつらいと感じていた人が放つ、この前向きな言葉には
確かな重みを感じずにはいられません。
多くの人を救える言葉なのではないかと思います。
セクハラや性暴力、ジェンダー的なことなど、周囲の目を気にしたりして言えないことや怖くて世の中に向かって伝えられないことがあると思います。
しかし、小雪さんはこういった苦しんでる女性に
「仕方がない」と諦めないでほしい。
「死のう」と思わないで欲しい。
そんな想いから「違和感を持ち続けてほしい」という言葉を訴えています。
なぜなら、女性が働きづらいのも、同性婚ができないのも、性被害にあうのも、仕方がないことではないのだから。
以上が小雪さんの想いです。
今回この話を書きながら、東小雪さんの活動やこうした言葉にすごく感銘を受けました。
どこかで暗闇を彷徨って悩んでいる女性の救いになることは間違いありません。
東小雪さんを知らなかった方は、この機会に勇気をもらってみてはいかがでしょうか?