手塚治虫作品である「どろろ」が約50年ぶりに2度目のアニメ化をすることが決定しましたね!
2019年の1月に放送予定ということで、平成終わりの年になんだが「印象に残りそうなアニメが見れそう」と、ひっそり注目しています。(ひっそりしきれていないけど)
どろろは漫画、アニメ、ゲーム、映画と既にいろんな媒体を通して楽しまれている作品です。
その魅力は「戦国時代に妖怪と戦う旅をして、失った自分の身体を取り戻す」という聞いただけでわくわくしてしまうような物語にあります。
そして、原作自体が未完成のまま終わってしまったことにもあるのではないかと個人的に思っています。
なんと、原作漫画とアニメ、ゲーム、映画それぞれラストが違うんです!
まあ、ラストだけでなく、あちこち違うところがあったり、なかったりするんですけれども。(どっちだ)
それは一体どんなラストだったのか?
ということを今回はご紹介しようかと思います。
もしかしたら、これから放送されるどろろのネタバレになってしまうかもしれません。
でもラストが違くなるかもだから、ネタバレにならないかもしれません。(どっちだ 2回目)
どうなるかは分からないけれど、「前情報無しで純粋にアニメを楽しみたいんじゃー!」という方はお気をつけ下さい。
ネタバレ(仮)します!
目次
手塚治虫 未完の名作「どろろ」とはどんな作品?
まず「どろろ」とはどんな作品だったのか、ということを少しお話ししようと思います。
「どろろ」が「未完」になった理由
そもそも、なぜ原作が未完のままなのかという事はやはり気になりますもんね。
1967年8月に少年サンデーにて連載を開始した手塚治虫作品「どろろ」。
今でこそ色んな媒体で楽しめるほどに人気な「どろろ」ですが、なんと連載当時はあまり人気がありませんでした。
その為「第1部・完」という形で、約1年で連載終了となったのです。
暗くて、むごい内容が読者に受け入れられなかったことと、手塚治虫氏にも「どろろ」の内容に迷いがあったことが連載終了(=打ち切り)の理由として挙げられています。
ただ、そのまま打ち切りで終わらず、1回目のアニメ化が決定すると、再度連載がスタートしました。
サンデーではなく冒険王という月刊雑誌で復活しましたが、アニメが終わる頃にやはり、連載が終わりました。
一応、その連載で完結はしたことになっています。
が、物語としては中途半端で、いわゆる「俺たちの冒険はこれからだEND」というやつになったのです。
「どろろ」のあらすじ
さて、ネタバレをするからにはある程度あらすじを押さえておかなければいけませんね。
という事で、あらすじをどうぞ。
戦国武将に仕える醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、生まれて来るわが子の体を、48匹の魔物に与えてしまいました。
そうして生まれた子供は、体の48ヵ所の部分が足りず、川に流され捨てられてしまいました。
時は流れ、戦(いくさ)の世を旅する少年・百鬼丸。
実は彼こそが、魔物に体を奪われた赤ん坊の、成長した姿だったのです。
百鬼丸は、体を奪った妖怪を1匹倒すごとに、失った体の部分を1ヵ所取り戻すことができるのです。 百鬼丸は、どろろという名のドロボウ少年と知り合い、一緒に旅をするようになります。
面白そうですよね。
当時は受け入れられなかったらしいけれど、現代なら受け入れられるのではないでしょうか?
シリアスとか、グロテスクとか、鬱展開とか、アニメでも最近は増えてますもんね。
需要がある証拠です。
ではでは、以上のお話をふまえてネタバレをお楽しみ?下さいませ。
「どろろ」は原作版とアニメ版でラストが違う!?
では、まずは原作と1回目のアニメ版のラストについてご紹介。
原作版のラスト
先にちょこっとお伝えしたとおり、結末としては「俺たちの冒険はこれからだEND」でした。
あ、すみません。
ちょっと訂正させてください。
厳密にいうなら「俺の冒険はこれからだEND」です。
というのも、最後は主人公の百鬼丸一人だけで旅を続けるからです。
相棒のどろろは置いていかれます。
話の流れとしては次のとおり。
冒険の途中で、百鬼丸の身体の48箇所の身体を使って作られた人間が「どろろ」だということが判明します。
どろろ1人を殺せば、百鬼丸はすべての身体を取り戻せるけれど、出来なければ1匹ずつ妖怪を倒していくしかないという選択を迫られます。
どろろを殺すことが出来ず苦悩する百鬼丸。
ちなみに、どろろは男の子と思いきや実は女の子でしたという設定で、物語は進みます。
ラストは百鬼丸を生贄にして捨てた父、醍醐景光とその妻、縫の方が住む村や屋敷が舞台。
景光は村人たちに圧政を敷いていました。
その景光の屋敷にラスボスとして登場したのが、百鬼丸にまだ倒されていなかった、身体の一部を持つ残りの妖怪たちの集合体「鵺(ぬえ)」。
百鬼丸は鵺の一部である妖怪5、6匹は倒しましたが、逃げられてしまいます。
この混乱に乗じて、苦しめられていた村人は反乱を起こし景光と縫の方を追放。
百鬼丸はどろろを村に残し、残りの妖怪を倒す旅に出かけました、というラストになります。
アニメ版のラスト
では、上記原作を受けてアニメはどうだったのかというお話をしますね。
アニメ版「どろろ」は当時、かなりトラウマものだったもよう。
子供に見せないようにと学校からプリントが配布された人もいた程のレベルだそうです。
当時カラーアニメが観れた時代に、あえて白黒放送。
物々しさが増し、雰囲気満点で妖怪が人を食うという恐怖。
ラストも悲劇です。
最終話にどろろと別れて妖怪を一人で倒す百鬼丸。
なんとラスボス、つまり48体目の妖怪が自分の父、醍醐景光であることが判明。
景光を倒すことになります。
母の縫の方は百鬼丸を庇って景光に殺され、百鬼丸も自分の弟である多宝丸を手にかけ、父景光も殺してしまいます。
原作では生きていた景光や縫の方はアニメ版では死にます。
全ての身体を取り戻すことはできましたが、代わりに失ったものは大きく、疲弊した百鬼丸は誰とも会うことなく1人どこかに旅立っていく、という最後でした。
「どろろ」はゲームや映画もラストが違う!!
続いて、ゲーム版、映画版のラストについてもご紹介しましょう。
それぞれ、やはり違ったラストになってますよ。
ゲーム版のラスト
2004年に発売されたゲーム版は漫画原作の設定に忠実で、かつハッピーエンドです。
原作同様、どろろは女の子という設定や身体は百鬼丸が奪われた身体の一部から作られているという設定は同じです。
どろろを殺さないで魔物を倒す選択をした百鬼丸が無事に魔物を全て倒して身体を取り戻すラストになっています。
原作との大きな違いは、どろろが年頃の女の子に成長したことと、一番すっきりしたハッピーエンドな展開になっているところでしょう。
百鬼丸が救われる展開が一つでもあって良かったですよ・・・!
ゲーム版どろろの評価について
ラストも良かったからか、このゲーム、PS2のソフトでしたが評価が高いです。
Amazon評価で4.3となっています。
魔物を倒すと、身体の一部が戻ってパワーアップする仕様になっている!
なるほど、それは確かに面白そう!
どろろの設定などは原作に忠実で、かつ原作で中途半端だったところを補完しているようなお話になっているところも良かったのかと思います。
映画版のラスト
2007年公開の映画版ではどろろを女優の柴咲コウが演じているためか、百鬼丸との年の差がほぼ無い状態で、最初から女の子であることがバレている設定です。
原作との違いがかなりある作品といえます。
ラストもやはりいろいろと違っており、どろろの親の仇が百鬼丸の親、醍醐景光であるという設定になっています。
醍醐景光は妖怪に憑依されており、ラストでは百鬼丸に倒されて死亡。
原作では死んでしまった百鬼丸の弟の多宝丸は生きていて、景光亡き村に一緒に残って欲しいと弟に頼まれますがまだ身体の全てを取り戻していないことを理由にどろろと一緒に旅立つというラストになっています。
これも、「俺たちの冒険はまだまだこれからだEND」でした。
実は続編の制作予定があったらしいのですが、続きませんでした。
残念。
映画版「どろろ」のネタバレ感想はコチラの記事にまとめたので併せて読んでみてくださいね!
映画版どろろの評価について
Amazon評価は3。
賛否両論あったようですね。
まず、どろろが成人女性設定で戸惑われたファンの方が多かったようです。
ただ「意外に良かった」という声もあるので、全体的に良くまとまっている内容だったかなぁと評価できます。
「柴咲コウだったから観れた」という声や「役者の演技が良かった」という役者さんをべた褒めするレビューもありました。
キャスティングも良かったようです。
まとめ
以上、ネタバレでした。
手塚治虫氏がどう終わらせる予定だったのかは気になるところではありますよね。
ただ、その後を自由に想像させるような終わり方になったことが、逆にいろんな作り手、いろんな読み手に「もっとどろろの世界に浸りたい」と思わせるような魅力になったような気がします。
だからこそ、今回のアニメ化(そして舞台化)がどんな展開を見せて、どんな終わり方をするのか楽しみです。
2019年1月が待ち遠しいですね。
アニメまでに映画をみたり、ゲームを中古で買ってみるのも良いかもしれません。
気になる方はぜひ!