技術の進歩によって新しい試み「デジタル錠剤」なるものが承認されました!
これは大塚製薬が11月13日に米食品医薬品局(FDA)によって承認されたもので、なんと世界初なんだとか。
日本の技術と米国の技術のタッグだそうですが、こうした新技術は素晴らしいですね。
このデジタル錠剤によって我々の生活にどういった変化が生まれるのか、調査してみたいと思います。
仕組みなども図解で分かりやすく解説していきます!
デジタル錠剤とは?
今回、承認がおりた薬は、大塚製薬が製造・販売する統合失調症などの抗精神病薬エビリファイ(一般名・アリピプラゾール)に米プロテウス・デジタル・ヘルス社が開発した約3ミリのセンサーを組み込んだ錠剤と、貼り付け型の検出器になります。
大塚製薬によれば、医薬品と医療機器を一体化した製品の承認は世界初なんだそうです!

引用:朝日新聞デジタル
それでは、デジタル錠剤の説明をしたいと思います。
デジタル錠剤の仕組みとしては、患者が飲んだ薬が胃に入ると、胃液に反応してセンサーが信号を発します。
患者の脇腹につけた小型装置がその信号を検出し、薬をいつ飲んだかという情報をスマートフォンやタブレット端末に転送されます。
患者の同意のもと、医師や介護者、家族らがその情報を共有できる仕組みになっています。
体内に入ったセンサーがどうなるのかが気になるところですが、ご安心ください。
センサーは一定の時間がたてば、体内で消化・吸収されずに排泄されるようになっているそうです。
患者と医師がしっかり病気に向き合える
デジタル錠剤がもたらすメリットとしては、患者と医師が情報共有してしっかり病気に向き合えるという点ではないでしょうか。
患者の中には、医師から適切な薬の量を処方されていても、正しく服用していな場合も少なくありません。
面倒で飲んでなかったり、飲み忘れてしまったりする患者は多いのです。
また、医師は患者に処方した後のことは把握できていないのが現状です。
診察の時に患者が正しい報告をしていなければ、その言葉を鵜呑みにして診察が進むわけです。
しかし、デジタル錠剤でしっかりとした情報が共有できていれば、このような問題は起こらず、病気を治すことにしっかりと向き合えます。
メリットはこれだけに留まらず、迅速な対応が可能になることや、医療費の削減にもつながります。
なぜかというと、適切に服用できているにも関わらず、薬の効果がないこともすぐに把握できるからです。
データから分析することで、改善に向けての対応が迅速にできるようになり、無駄な処方も減るので医療費の削減になります。
患者さんにとっては”飲み忘れ”がバレてしまうので嫌かもしれませんが、病気を治したいのであれば、こうした管理は必要だと思います。
課題が残る
素晴らしい発明ではありますが、新しいことには課題がつきものです。
デジタル錠剤に関しても課題が残っております。
それは”プライバシー保護”です。
「個人情報」に関してはここ数年でかなり関心が強まっており、扱いなどが厳しくなっています。
デジタル錠剤から得られる情報も同様に”個人情報”になりますので、端末に送信された情報の取り扱いは厳重にしなければなりません。
リスクとしては、不正アクセスによる情報の漏洩、管理側のミスによる情報の漏洩などが考えられます。
また、このシステムを悪用する人も出てくる可能性があります。
こうした管理が今後の大きな課題になることでしょう。
他の事に応用ができるかも?
この技術を使えば、犯罪者の逮捕にも応用ができるのではないかという意見が出ています。
薬をGPSとして使うことができれば、排泄されるまでのしばらくの間は追跡が可能になります。
犯人に上手く飲ませることが出来れば、逮捕に繋がります。
また、現行犯でなければ捕まえられない犯罪も、薬を飲ませ、しばらく泳がせておけば容疑者の行動を受信して監視することで逮捕につなげる事が可能になるかもしれません。
デジタル錠剤は、医療の大きな飛躍になると同時に、別の分野でも活躍が期待できるということです。
最後に
世界初のことなので、最初は様々な問題点が出てくることかと思います。
また、私達も体内にこうしたものを取り込むということに抵抗があるかもしれません。
一般的に浸透するまでに時間が掛かるかもしれませんが、安心・安全にデジタル錠剤が普及する日が来ると良いですね!